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(本館:空依 お題*:純 伽)
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彷徨って、迷って、辿りつく*
「どうか、なさいましたか?」
そっと控えめな声に、特に驚く様子は見せないようにして振り返る。
彼女がそばにいることが当たり前になった今、いちいち驚いていてはきりがない。
―はずなのだが、内心どきりとしているのだから、彼女の洞察力には舌を巻く。
「・・・どうして?」
逆に問いかけたら、歩み寄って来ていた足を止めてしまった。
それでも一呼吸おいてからまた歩を進め、隣に落ち着いた。
「私が分からないとでもお思いですか?」
問いかけの続く会話と言葉に、苦笑でしか返せないのは、彼女が分からないはずがないことを知っているから。
どれほど装っても見抜かれるのには、どうしてだか未だに慣れない。気付かれたくないからかもしれないし、その逆なのかもしれない。
―おそらく、後者だろう。
気付いてほしいから、彼女にだけは、気付いてほしいと思っているから。
見上げてくる水色の瞳が、わずかに揺れている。―自分を案じているのだと。
かすかに目を細めて、呟く。
「・・・ラクス、」
静かに抱き寄せて、彼女の髪に顔をうずめた。
彷徨って、迷って、辿りつく いつだって君の元に
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