煌めく空には、あまり雲が浮かんでいない。あまりの青さに吸い込まれそうだ、と思った。
桜はとうにその命を終えて、人々の関心は既に雨降る季節へと向いている。
しかし、今日の天気はそんなことを無視して、鮮やかに晴れ渡っていた。
薄雲すら見られない空は、自然と街行く人の視線を受けている。
かく言う自分もその一人なのだ。せっかく隣りに彼女がいるというのに、視線を奪われるとは。
繋いだ手に少しだけ力を込める。
きっと彼女の瞳も青を映しているだろうから、それを取り戻すために。
それでも彼女の髪が揺れることがないから、そっと横目に盗み見る。
ただ柔らかに笑みを浮かべる彼女は、やはり一点しか見ていなかった。
本当に愛おしそうに笑うから、なんだか見てはいけないような気がして慌ててまた空を仰ぐ。
あぁもう本当に、彼女には敵わない
彼女の瞳が映すのは、青ではなくて
ただのくすんだ白なのだから
お妙さんは銀さんの髪を見てた、ということで(え
きっとふわふわ揺れてて面白かったんじゃないかと←
もっと上手く書きたい…