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(本館:空依 お題*:純 伽)
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気まぐれノイズ*
「神楽ちゃんも女の子ですから」
そう言って嬉しそうに、大量の着物やら浴衣やらを床に盛大に広げている。
それを横目で眺めつつ、今日何度目になるか分からないため息をつく。
「どう見ても持ってきすぎだろ」
「色や柄にはやっぱり好みがありますからね。選ばせてあげないと」
自分が昔着ていたものを、捨てるのは勿体無いということで、神楽にあげるらしい。
自分の知らない所でそのような約束が交わされていたとは。
「これなんか神楽ちゃんに似合うと思いません?神楽ちゃん色白いから」
「んー、そうかぁ?」
「もう!ちゃんと見て下さいよ」
そんなこと言われても、俺に判断できるわけがない。
そもそもこっちはガキ共のいない、久方ぶりの静かな午後を過ごそうとしていた矢先に押しかけられて、いい迷惑だ。
どうせなら自分家でやればいいものを。そうすれば神楽のいない時に来てしまったなどという事態も起こらなかっただろうに。
「眠ぃ…」
大きくあくびをして、瞼が重くなるのを自覚する。
呑気な鼻歌と衣擦れの音が鼓膜に響いて、誘われるままに夢にのまれていった。
気まぐれノイズ(心地よい雑音)
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