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お知らせ・メモ(2)
(本館:空依 お題*:純 伽)
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ただ、ただ、ひたすらに、
ひどく、穏やかな時間だった。
軽めに指先を絡めて、彼女のペースに合わせるようにゆっくりと歩く。一歩一歩、地面をまるで確かめるみたいに。
薄雲の後ろで、淡い光を放つ太陽は暖かな陽気を創り出していて、流れる風と共に気持ちを緩慢にさせる。
二人にあまり会話はなくて、たまに彼女が、彼の名前を呼んだ。
ソプラノのそれは、とても大切に発音されて、緩やかに鼓膜を揺らす。たった二文字なのに、脳に染み渡って心地よい。
返事を返したら、いつも彼女は穏やかに笑う。ふわりと、口元が綻んで、ひどく嬉しそうに。
だから彼も、彼女がそうするように丁寧に名前を刻む。愛おしいその響きが、何より大切だった。
ふふ、と小さく声を出して笑うから、同じように目を細める。
自分が幸せなのだと伝えるために、きゅっと指先に力を込めて、肩が触れるように引き寄せる。
金色の髪が揺れて、肩に愛しい重みが乗せられて、小さな指が一生懸命握り返して。
何もかもが優しい
ゆっくりと穏やかな彼女の仕草も、言葉を紡ぐ慈愛に満ちたその声も、与えてくれる温かなぬくもりも
それだけあれば、いいんだと、
ただ、緩く、笑った
ただ、ただ、ひたすらに、君の、
とりあえず幸せなシンステが書きたかった
軽めに指先を絡めて、彼女のペースに合わせるようにゆっくりと歩く。一歩一歩、地面をまるで確かめるみたいに。
薄雲の後ろで、淡い光を放つ太陽は暖かな陽気を創り出していて、流れる風と共に気持ちを緩慢にさせる。
二人にあまり会話はなくて、たまに彼女が、彼の名前を呼んだ。
ソプラノのそれは、とても大切に発音されて、緩やかに鼓膜を揺らす。たった二文字なのに、脳に染み渡って心地よい。
返事を返したら、いつも彼女は穏やかに笑う。ふわりと、口元が綻んで、ひどく嬉しそうに。
だから彼も、彼女がそうするように丁寧に名前を刻む。愛おしいその響きが、何より大切だった。
ふふ、と小さく声を出して笑うから、同じように目を細める。
自分が幸せなのだと伝えるために、きゅっと指先に力を込めて、肩が触れるように引き寄せる。
金色の髪が揺れて、肩に愛しい重みが乗せられて、小さな指が一生懸命握り返して。
何もかもが優しい
ゆっくりと穏やかな彼女の仕草も、言葉を紡ぐ慈愛に満ちたその声も、与えてくれる温かなぬくもりも
それだけあれば、いいんだと、
ただ、緩く、笑った
ただ、ただ、ひたすらに、君の、
とりあえず幸せなシンステが書きたかった
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