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(本館:空依 お題*純 伽

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純愛ミルクティー*



 




「さーむーいー・・・」
「本当、まだ10月なのに・・・」

外に出た途端に押し寄せてくる冷たい空気に、二人そろって思わず首をすくめる。
まだ秋のくくりなので、それほど厚着して来なかったのが災いしてしまった。

「もっと着込んでくればよかった…」

うぅ、と唸って昌浩は肩を抱きこんだ。隣りで彰子がごそごそと鞄をあさっている。
天気予報見てくれば良かったとか紅蓮に聞いてくればよかったとか、つらつらと反省していた昌浩は、突然訪れた熱さに声を上げた。

「うわあぁ」
「・・・そんなに熱かった?」

見れば、苦笑を浮かべている彰子の手にオレンジのキャップのペットボトルが握られている。
どうやらそれが頬の熱さの元凶であるらしい。

「さっき買ったの。何だか飲みたくなっちゃって」

もう一口飲んでいるから開封済みのそれを、飲む?と差し出すと、昌浩は素直に受け取って、こくりと喉に流した。
甘いミルクと紅茶の香りが満ちて、ほっと落ち着く。一口で暖まったような錯覚を覚えた。

「あぁ、おいしい。ありがと彰子」

お礼と共に手元に戻ってきたペットボトルを見て、はっとする。
そろりと昌浩の方を覗うと、彼はそのことに気付いていないようだった。ミルクティーに満足したらしく、いくらか上機嫌でいる。
もう一度見下ろしてから、わずかに染まった頬に気付かれないようにそっと俯いた。






純愛ミルクティー ミルクと紅茶とやさしいぬくもり

間接キス

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