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(本館:空依 お題*:純 伽)
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紫苑
「ステラ・・・」
海が見える崖の上で呟いた名前は、波の音に流されていく。一面の蒼さとそれに反射した光が、ひどく眩しかった。
――やっぱり、海に還してあげた方が良かったかもしれない。
泣きつかれて頭がぼうっとしていたから、その時何を思ったのか覚えていない。自分は何を考えて湖に彼女を還したのだろう。
今彼女は、どこにいるだろう。笑っているだろうか。
出来ればずっと、笑っていて欲しい。自分は上手く、笑えていないけど、それでも。
「ステラ、」
風が強くて、何も言えなかった。言葉にしたら、終わりそうで。
いつか言える日が来るだろうと思っているのは、卑怯かもしれない。そうやって先延ばしにしている。
それでも君は、待っていてくれるだろうか。
今はまだ、弱いけれど。いつかきっと、絶対に。
誓いのように花びらに口付けて
紫の花を、君に届くように海に贈った。
紫苑(しおん) 『君を忘れない』
海が見える崖の上で呟いた名前は、波の音に流されていく。一面の蒼さとそれに反射した光が、ひどく眩しかった。
――やっぱり、海に還してあげた方が良かったかもしれない。
泣きつかれて頭がぼうっとしていたから、その時何を思ったのか覚えていない。自分は何を考えて湖に彼女を還したのだろう。
今彼女は、どこにいるだろう。笑っているだろうか。
出来ればずっと、笑っていて欲しい。自分は上手く、笑えていないけど、それでも。
「ステラ、」
風が強くて、何も言えなかった。言葉にしたら、終わりそうで。
いつか言える日が来るだろうと思っているのは、卑怯かもしれない。そうやって先延ばしにしている。
それでも君は、待っていてくれるだろうか。
今はまだ、弱いけれど。いつかきっと、絶対に。
誓いのように花びらに口付けて
紫の花を、君に届くように海に贈った。
紫苑(しおん) 『君を忘れない』
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